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日記というのを書き始めることにします

 今日、ブレイゲ山近くの村へ訪問に出かけていた母上がお帰りになりました。
 きっとお疲れだろうと思っていたのですが、母上は今日も凛とお美しく、旅の疲れなど少しも感じさせません。
 やっと母上にお会い出来て、ボクは嬉しいのです。
 この数日間、母上のいらっしゃらないお城は、本当に寂しかったのですから。
 でも、ボクはちゃんとお留守番をしていましたけどね。
 本当は、母上とご一緒したかったけど…… 母上にお留守番をお願いされては、お断りするわけにはいきません。
 母上がお留守の間、ボクがこの城下町を護らなきゃって、毎朝の鍛錬も欠かしませんでしたしね。
 そんなボクを、母上は褒めて下さいました。
 良い子ですね、ディーン。って。
 もったいないお言葉です、母上。そう言っていただけると…… ボクは、もっともっと頑張ろうって思えるのですよ。
 母上がいない間の淋しい気持ちも、母上のお言葉を頂いたら、ふっと消えてしまいました。
 それで、ボクが良い子でお留守番をしていたご褒美に…… って。
 母上が、この日記帳を下さったのです。
 母上はいつも、ボクにお土産を下さいます。以前いただいた名工のピアスとか、今もすごくお気に入りなんですけど。
 今回いただいた日記帳は、ブレイゲ山近くの村から献上されたものだそうで。
 ブレイゲ山から湧く綺麗な水を使って造った、上質な紙が使われているのだとか。
 日記だったら、今も書いているのですけどね。
 その日あったことを書きとめておこうと思って、一応1・2行程度のものを。
 でも、日記というのは、自分の気持ちを自由に書き綴るものなのだと、母上はおっしゃいました。
 楽しいから貴方も書いてごらんなさい、って。
 母上は、今でもそういう日記を書き続けておられるのだとか。
 わー、何だか気になります。一体どんなことを書いておられるのでしょう。ボクのことも、いっぱい書いて下さってるでしょうか。
 母上が楽しいとおっしゃるのなら、きっと楽しいのでしょう。
 いつまで続くかわかりませんが、ボクもその気持ちを書き綴る日記というのを書いてみようと思います。
 
 それにしても、最初はどんな風に書いたらいいのかわからなくて……
 日記帳を開いたまま、しばらく困ってしまいました。
 それなので、母上にまたお聞きしてみたところ…… 日記帳に向かって語りかけるようなつもりで書けばいいのですよ、って教えてくださいました。
 こんな感じで、良いのでしょうか。
 誰かに向かって話しかけるような気持ちになると、自然とペンが進んでいくような気がします。
 日記というのは、誰に見せるものでもありませんけど。
 この日記帳に向かって、自分の想いを自由に語りかける。それが、『日記を書く』ということなのでしょうか。
 それが楽しいことなのか、まだわかりませんが。
 だって、まだ一日目ですしね。
 でも、何だか楽しみになって来ました。明日はどんなことを日記さんにお話しようか、今からちょっとワクワクするのです。
 明日は、ソード君と遊ぶ約束です。
 ソード君は、とっても楽しい人です。きっと、いっぱい楽しいことがあるでしょう。
 明日は、楽しい気持ちをいっぱいお話し出来たらいいですね。

 ソード君、明日はいっぱい遊びましょう。
 バウドさんにも、会えるでしょうか。一緒に遊んでくれたらいいな……


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